40年ほど前、1970年代
「読んでから見るか 見てから読むか」のキャッチコピーで
テレビ文化の台頭にややパワーダウンしていた日本映画界に
「犬神家の一族」を皮切りに
一大旋風を巻き起こした「角川映画」
出版社である「角川書店」が映画を作り
メディアミックス戦略でヒットさせ
相乗効果でその原作本も売れる
社長・角川春樹
本当に商売の天才と思う
初めて文庫本にカラーのカバーを着け
その表紙が目につくように書店に頼み平置きしてもらう
棚に置いた背表紙しか見えない
競合他社の商品より圧倒的に目立つ
ビジュアル・プレゼンテーション
現在の書店の売り場モデルを作ってる
映画製作においてもずば抜けたプロデュース力
作家・映画スタッフ・俳優・音楽家・・・などの起用にも
彼の天才さを感じます
そして、広告戦略
小学生の僕は
テレビから流れる作品のCMに
無意識のうちに心を奪われていました。
CMから流れる
出演者でもあり、主題歌を歌っていたジョー山中の甘い歌声
「♫ mama~Do you remember~」
そして
「母さん 僕のあの帽子 どうしたでしょうね・・・」
松田優作のセリフ
これそのものがキャッチコピーで
この作品のすべてがその言葉に表れていました。
「人間の証明」 原作・森村誠一
暴力沙汰で執行猶予中でも起用
しかもロケ中にも手を上げてしまった
松田優作
ジョー山中に至っては
映画公開のわずか2か月前の
主題歌のレコードの発売日に
麻薬取締法で逮捕されるという事態
しかし、二人を今みたいに降板させたり
公開中止などとチンケなことはしなかった
それでも、テレビコマーシャル以外
歌番組やラジオ番組で流されることはなかった為
人はレコードを買って聴くしかない
レコードは、約50万枚の大ヒット
角川春樹の懐の深さや人を見る目
強運の持ち主で天才であったと思う
続く